歯髄温存治療

   

Vital Pulp Therapy(生活歯髄療法 覆髄・断髄) 

Vital Pulp Therapy(生活歯髄療法 覆髄・断髄)当院では、歯の歯髄(神経)をなるべく取らずに治療する「歯髄温存治療(Vital Pulp Therapy)」を行っております。
虫歯が歯髄まで進行した場合、通常では歯髄を取り除く処置が必要です。

しかし、歯髄には歯に栄養を送り込む役割があるため、取り除くことで歯への栄養の供給が低下し、歯がもろくなってしまいます。
そのほか、歯髄には食べ物や飲み物の温度を感じるセンサー的な役割や、歯の象牙質の形成、
細菌感染による炎症反応に対する免疫機構としての役割もあります。

歯髄を失うと、これらの役割を果たせなくなるため、可能な限り取り除かないことが重要と考えております。
また、歯髄を取り除く抜髄処置が不適切な場合、歯の根の先に病変が生じたり、歯が欠けたりしやすくなることにも注意が必要です。

歯の破折は抜歯が必要になるケースもあるため、歯髄を取り除く処置は結果的に歯を失うことに繋がる可能性があります。
歯髄を温存することで、歯の根の先の病変や歯の破折などのリスクがなくなります。

Vital Pulp Therapyに使用する器具・機材・歯科材料

検査

温度診
VPT適応の歯髄の場合は冷たい物や熱いものが一時的に染みる。 (可逆性歯髄炎)

冷たい物や熱いものが持続的に染みる(不可逆性歯髄炎)
冷たい物や熱いものに感覚がない(歯髄壊死) 場合は抜髄

電気歯髄診

反応があれば歯髄反応あり
反応がなければ歯髄壊死→抜髄

温度診、電気歯髄診を適切におこなうことがVPTをやるうえの最低条件ともいえます。
上記を適切におこなっての診断信頼度は約90%といわれています。

ラバーダム防湿 

ラバーダムはゴム製のシートで、治療する歯かその近くの歯に取り付けます。
歯髄温存治療では、感染した歯質を徹底的に取り除く必要があります。
このときにラバーダムを使用することで、唾液によって細菌感染するのを防げます。

また、治療中に薬剤が口の中に漏れたり、器具を誤飲したりすることを防ぐこともラバーダムの役割の1つです。
歯科医師は、このようなトラブルを気にせずに歯に集中できるため、結果的により良い歯髄温存治療に繋がります。

ただし、鼻で呼吸できない状況にある場合は、ラバーダムを使用できない可能性があります。

マイクロスコープ(治療用顕微鏡)

マイクロスコープは、治療箇所を拡大できる医療機器です。
歯の内部は非常に複雑な構造のため、肉眼での治療には限界があります。
マイクロスコープを使うと、肉眼では見えなかったところまで見えるようになるため、感染している歯質の徹底除去に役立ちます。

感染している歯質を徹底的に取り除けなかった場合、再び虫歯が進行して歯髄を取り除かざるを得なくなる可能性があるため、マイクロスコープの使用は必須です。

MTAセメント

抗菌作用を有するセメント材料で、露出した神経に用いる保護剤としての役割をします。

・骨誘導能

・歯髄再生能

PDL再生能

など多くの再生能力、治癒能力を持つ優れた材料です。

   

歯髄温存治療における3つの注意点

歯髄温存治療の成功には、次の3つに注意が必要です。

1.唾液や細菌が入らないように『ラバーダム防湿』を実施する

唾液にも細菌が含まれているため、ラバーダム防湿が必要です。
歯髄に唾液や細菌が入り込まないように、徹底的に対策します。

2.口を開けたまま治療する

口を開けたままでなければ歯髄温存治療はできません。
口を長時間開けると顎が疲れる場合がございますので、その際には我慢せずにお申し出ください。

3.治療後に歯の痛みやしみるなどの症状が現れる

治療後は、一時的に痛みやしみるなどの症状が現れる可能性があります。
数日から数週間で改善することが多いので心配はありません。我慢できないほどに強く痛む場合は、早めにご連絡ください。

 

当院長VPT実績(2020年時点での3年以上の予後)

直接覆髄

むし歯を取り除いた結果、神経が点で露出した場合
117/141(83%)

断髄法

むし歯を取り除いた結果、神経が大きく露出している場合
覆髄法で症状がある場合で可逆性歯髄炎と判断した場合
268/282(95%)

当院長VPT実績(2021年の1年の予後)

直接覆髄

むし歯を取り除いた結果、神経が点で露出した場合
19/22(86%)

断髄法

むし歯を取り除いた結果、神経が大きく露出している場合
覆髄法で症状がある場合で可逆性歯髄炎と判断した場合
51/54(94%)
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